こんにちは、B4の村上です。
今回は、北海道大学で開催された2026年電子情報通信学会ソサイエティ大会の2日目の様子を紹介します。1日目に続き、研究室のメンバーがそれぞれの研究成果を発表しました。
研究室メンバーの発表
2日目は、研究室から8名が発表しました。LLMの活用からクラウド環境の運用、Wi-Fiを用いた計測まで、研究テーマはさまざまです。
河野 尊
「回答一致に基づく異種ローカルLLMによる動的アンサンブルの計算効率評価」
複数のLLMに同じ問題を解かせて回答を決める「アンサンブル」において、途中で回答が一致した場合に残りのモデルの実行を省略する手法を提案しました。モデルを実行する順番による回答一致率や推論時間の違いを調べ、最終的な回答を変えずに計算コストを削減できる構成について検討しました。

久保 友幸
「Raspberry Piを用いたクラウドLLMオーケストレーション型分散コード生成システムの構築と評価」
クラウド上のLLMが作業を整理し、Raspberry Pi上の小型LLMにコード生成を分担させるシステムについて発表しました。小型LLMに渡す指示の形式を比較し、擬似コードやPythonのコメントに近い具体的な指示が、コード生成の精度向上に有効であることを示しました。

松下 依央
「Wi-FiプローブパケットのRSSIの分散安定性に関する調査」
Wi-Fiの信号強度を位置推定に利用するために、安定した測定結果を得るにはどれだけのデータが必要かを調べた研究です。屋外で端末との距離を変えて測定し、距離によって必要なパケット数や分散の安定性が異なることを報告しました。

長岡 美甫
「クラウドソーシングにおけるタスク特性の違いがAI支援効果に与える影響の検証」
クラウドソーシングの作業にAIによる支援を加えたとき、その効果が作業内容によってどう変わるかを検証した研究です。商品レビューを題材に、分析・評価・創造という異なる作業を比較し、AI支援はタスクの特性に合わせて設計することが重要だと示しました。

徳永 崇寛
「ECS FargateにおけるCPUアーキテクチャがコールドスタートに与える影響の評価」
AWSのECS Fargateでコンテナを新たに起動するときに生じる待ち時間を、CPUアーキテクチャの違いから調べた研究です。amd64とarm64を、コンテナイメージのサイズを変えながら比較しました。
実験では、調べたすべての条件でarm64の起動時間が短くなりました。1回あたりの差は約1~2.3秒ですが、コンテナを頻繁に起動する環境では、その差が積み重なります。起動を速くするうえで、CPUアーキテクチャの選択も大切だと分かりました。
村上 諒
「GitHub ActionsにおけるAWS EC2 self-hosted runnerの性能および運用料金評価」
GitHub Actionsでソフトウェアのビルドなどを自動実行する際、AWS EC2上に実行環境を用意した場合の処理時間と料金を比較した研究です。実験では処理時間を短縮でき、インスタンスの種類によって料金も変わることから、処理内容に合った構成を選ぶ必要があると報告しました。

新堂 七海
「スポットインスタンスにおける停止待機インスタンスを用いたデータベース運用手法の評価」
低料金で利用できる一方、中断される可能性があるスポットインスタンスを使ったデータベース運用の研究です。あらかじめ準備した待機インスタンスを停止状態で保持し、中断時に起動することで、追加コストを抑えながら復旧時間を短縮する手法を評価しました。

牧村 胡桃
「LLMを用いたクラウドソーシング依頼文の曖昧性評価に関する検討」
クラウドソーシングの依頼文がどれほど分かりやすいかをLLMで評価し、人間の判断と比較した研究です。両者の評価には弱い正の相関が見られましたが、評価項目によって一致度に差があり、人間の判断を十分に再現するには課題が残ることを報告しました。

同じ研究室の中でも、身近な作業をAIで支援する研究や、システムの処理時間・料金を改善する研究など、取り組む課題は大きく異なります。それぞれの発表に触れることで、研究の目的に合わせて実験を組み立て、結果をどう伝えるかを考える機会になりました。
2日目も多くの研究に触れ、刺激を受ける1日となりました。最終日も引き続き、さまざまな発表から学びたいと思います。
発表後はみんなでジンギスカンへ
2日目の発表が終わった後は、研究室のみんなでジンギスカンを食べに行きました。発表を終えたメンバーをねぎらいながら、北海道ならではの食事を囲んで楽しい時間を過ごしました。

研究の話はもちろん、札幌での出来事なども話しながら、発表後のひとときを満喫しました。学会で多くの研究に触れ、研究室のみんなとも交流できた、充実した2日目となりました。

