【CSCE2026@ラスベガス:M2】学会報告(後編)

こんにちは、M2の北村です。

アメリカ・ラスベガスで開催された国際会議CSCE 2026に、木村・那須・馬場・北村の4名で参加し、それぞれ研究発表を行いました。本記事は後編として、北村と馬場の発表をご報告します。

発表③:Multi-Agent Approach to Automated Program Repair: Balancing Correctness and Quality(北村)

LLMによるプログラム自動修正は、テスト通過のみを重視するとコード規約違反などの技術的負債を蓄積させます。そこで、機能的正確性と保守性を両立させる手法を研究しています。

従来手法はテスト通過パッチの約7割で品質が悪化していました。提案手法では、コード生成するFixerと、静的解析結果を自然言語に変換しレビューするCriticに分離したマルチエージェント構成を採用し、新たな警告を許さない品質ゲートを設けています。

用意したデータセットを用いた実験の結果、従来の手法では保守性を担保できた修正はごく限られていたのに対し、提案手法ではコードの警告数を大幅に減らすことに成功し、高品質な修正の件数を大きく伸ばすことができました。

発表④:Investigating How to Reduce the Burden of Output Evaluation for Open-Ended Tasks in Crowdsourcing(馬場)

生成AIの普及により、クラウドソーシングは正解のないオープンなタスクへと移行していますが、その品質評価は依頼者の主観に依存し、多大な負担が生じています。そこで、この評価負担を軽減する手法を研究しています。

従来は依頼者が全件を目視で確認していましたが、本研究では大規模言語モデル(LLM)と複数のワーカーによる評価が、依頼者の評価をどの程度近似できるかを検証し、代替の可能性を探ります。

カフェのアイデア提案を用いた実験の結果、双方の手法とも依頼者の評価と高い一致度を示しました。特にLLMは「実現可能性」や「価値」で強く一致した一方、「新規性」ではワーカーとの差が小さく、評価基準に応じて手法を使い分けることの有効性が示されました。

国際学会で発表して感じたこと

今回の学会参加で痛感したのは、自分の英語力が学会レベルにはまだ達していないということです。

現地の人との日常会話は比較的成立させることができたのですが、専門用語が飛び交う学会では全く通用しませんでした。結果として、自分の発表の質疑応答でも上手く対応することができず、悔しい思いをしました。

改めて自分の英語力不足を実感した一方で、他の方の発表の中には、最後まで内容を理解できたものもありました。そうした素晴らしい発表では、「図でイメージしやすくする工夫」や「研究内容のキャッチーさ」はもちろんですが、何よりも「簡単な言葉で説明する」ことが強く意識されていました。

どんなに高度な研究も、相手に伝わらなければ意味がありません。今回の学会では、語学力の壁にぶつかると同時に、「専門外の人にも平易な言葉で本質を伝える」ことの重要性を学ぶことができました。

この視点は、日々の研究活動にも直結するはずです。今回の悔しさを糧とし、次の学会では堂々と質疑応答ができるよう、日々の研究に励み、「伝える力」を磨いていきたいと思います。

おまけ:ラスベガス滞在記

↓ 前編で見せたホテルの夜の姿

↓ 下から見る’Sphere’

↓ アメリカの朝飯(これ食べたらなぜか味噌汁が恋しくなりました)

↓ 大行列だった’Tacos El Gordo’のタコス3種類

最後に

今回の学会参加は、自分にとって非常に大きな経験になりました。初めての海外、そして初めての英語でのプレゼンという、いきなり高いハードルに挑むような機会でした。すべてが大成功だったとは言えませんが、学会の内外でそれ以上に価値のある体験ができたと感じています。

改めまして、このような貴重な機会を設けてくださった小板先生、小比賀先生、共著者として忙しい中添削をしてくれた近藤くん、そして発表練習などで様々な意見をくれた研究室のメンバー全員に深く感謝いたします。

本当に、ありがとうございました。