【ICTSSL@立命館大学:M2】記念講演

こんにちは、M2の馬場です。

2026年5月に立命館大学大阪いばらきキャンパスにて開催された電子情報通信学会 ICTSSL研究会に参加し、2025年度優秀研究賞の記念講演を行わせていただきましたので、今回はそのレポート記事になります。

今回の会場は立命館大学大阪いばらきキャンパスでした。

とにかく驚いたのがキャンパスの綺麗さです。建物は非常に新しく、ガラス張りを基調とした開放感のあるデザインで、「本当に大学なのか?」と思うほど洗練された空間でした。これまでいくつか学会に参加してきましたが、個人的には過去一番レベルで綺麗な会場だったと思います。

そして今回、自分にとって特別だったのは、「記念講演」という形で招待していただいたことです。

学会発表自体は今回で4回目でしたが、「優秀研究賞の受賞者として講演する」という経験は初めてでした。

発表タイトルは、「犯罪検知におけるAIと人間の協調判断に関する検討」です。

防犯カメラ映像を対象に、機械学習・LLM・クラウドソーシングを組み合わせたHuman-in-the-Loop型の犯罪検知について発表を行いました。

今回は通常発表よりも講演時間が長く、受賞研究の紹介だけでなく、その後の発展内容についてもお話しさせていただきました。特に今回は、「LLMはどこまで人間に近い判断ができるのか」というテーマについて深く議論できたのが印象的でした。

発表準備の段階では、スライド構成や見せ方についてかなり悩みました。

普通の研究発表であれば実験設定や結果を中心に説明することが多いですが、今回は“記念講演”ということで、「なぜこの研究を行ったのか」「社会的にどのような意味があるのか」といった研究の背景や考え方まで含めて伝える必要があると感じていたからです。

また、今回の発表準備を通して強く感じたのは、「記念講演」と「通常の研究発表」はかなり違う、ということでした。

実際、他の招待講演では、実験結果や提案手法を細かく説明するというよりも、

  • 今どんな課題が起きているのか
  • それに対してどんなアプローチを考えているのか
  • この研究によってどんな未来を目指しているのか

といった、より大きな視点から研究を語る発表が多く、非常に印象的でした。

一方で、自分の発表はかなり「研究発表」寄りだったと思います。

実験設定や結果の説明が中心になってしまい、「記念講演らしさ」という意味ではまだまだ改善の余地があると感じました。ただ、それと同時に、自分の研究について深く議論していただけたことは非常に嬉しかったです。

また、「招待されて話す側」という立場だったこともあり、正直かなり緊張しました。

これまでの発表とは違い、「ちゃんと記念講演らしい内容にできているだろうか」というプレッシャーもありました。

それでも実際に発表を終えてみると、質疑応答では多くの意見やコメントをいただくことができ、非常に貴重な経験になりました。

特に印象的だったのは、「LLMだけで十分ではないのか?」「逆に機械学習はいらないのでは?」といった、研究の本質に踏み込む質問を多くいただけたことです。

単なる結果報告だけでなく、実運用を見据えたコストやリアルタイム性、LLMと機械学習の役割分担について議論できたことは、今回の講演ならではだったように思います。

今回の経験を通して改めて感じたのは、「研究は結果だけではなく、“なぜそれをやるのか”を伝えることも重要」ということでした。

精度や数値だけではなく、その研究がどんな課題を解決したいのか、どんな未来につながるのかを伝えることで、初めて研究として“人に届く”のだと思います。

また、学会後には、今回招待講演をいただいた立命館大学の服部先生の研究室を見学させていただきました。まちづくりを対象としたタンジブル型のMAS(マルチエージェントシミュレーション)を体験させていただきました。

ブロックを配置しながら都市設計を行い、その結果がリアルタイムに可視化されるシステムになっており、「みんなで同じものを囲みながら議論する」という体験そのものを重視されている点が非常に印象的でした。

単に最適な結果を計算することが重要なのではなく、人同士が同じものを見ながら試行錯誤し、対話を通じて共に考える“場”を作ること自体に価値がある、という考え方が強く伝わってきました。

「シミュレーション結果を提示して終わり」ではなく、人が自然に参加し、議論したくなる環境そのものを設計するという発想が非常に印象的でした。

最後になりますが、このような貴重な賞と講演の機会をいただき、本当にありがとうございました。

今回の経験を糧に、今後も研究活動に取り組んでいきたいと思います。