【農業労働力支援サービス アグリコ: B3】和歌山県 薄月農園さんヒアリング報告

こんにちは!B3の能勢山です。今回は、AGRI-PASSのメンバーで2025年2月16日に行った薄月農園さんのヒアリングの様子をお伝えします。

AGRI-PASSについて

株式会社AGRI-PASSは、同志社大学小板研と大田原ゼミの卒業生で立ち上げた企業です。農業分野における労働者マッチングに着目し、現在は農業の請負事業に向けたシステム「アグリコ」の開発を中心に行っています。

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背景

現在私たちが開発しているシステムの主なユーザは農業の請負事業者ですが、今後案件を増やすためには農家の方の協力が必要不可欠です。「どうすれば、安心して私たちに作業を任せていただけるか」という問いの手がかりを探るため、今回は大田原ゼミ生とのつながりから、和歌山県の薄月農園さんにヒアリングに協力していただくことになりました。
以下の概要で、総勢8名が和歌山へと向かいました

日時:2025年2月16日
場所:和歌山県 薄月農園
内容:農園見学、ヒアリング

実施内容1:梅農園の見学

初めに、梅農園を見学させていただきました。薄月農園では梅の有機栽培を行っており、基本的に化学的に合成された肥料や農薬を使用せずに梅を作っています。

見学中にお聞きしたことを以下にまとめます

  • 有機栽培について
    • 周囲で使用した農薬がかからないように工夫が必要である。使える農薬は、公認されたもののみで、第三者による監査も行われる。
    • 昨年はカメムシの被害が酷く、収穫量が大きく減少した。他の害虫は使用できる農薬があるが、カメムシに対する農薬がなく、困っている
    • かつらぎ町有機栽培実践グループについてのお話
  • 最近の梅収穫について
    • これまでは、標高の低いところから順に実が成熟したため、下から順に収穫を行えばよかった。しかし、温暖化の影響で標高による成熟度の差が小さくなり、全ての収穫を短期間に行わなければいけなくなっている。梅が木から落ちる前に収穫する必要があり、スケジュールが立てにくい・人手が足りないといった問題が生じている
    • 収穫自体はだれでもできる作業だが、いくつかポイントがある。梅の熟度や、着色度合い、枝のどの部分の実をとるかなどを判断する必要がある。
    • 年によって収穫量の差が大きく、原因としては台風等の自然災害や、カメムシ等の害虫被害がある。

梅農園の様子です。急勾配に梅の木が植えられています。収穫の方法やポイントを教えていただきました。
梅の木には小さなつぼみが見えていました。当日は暖かかく、少し春を感じる気候でした。


実施内容2:業務内容に関するヒアリング

続いて、ご自宅の作業所に移動してヒアリングを行いました。

ヒアリング中にお聞きしたことを簡単に以下にまとめます

  • 天候の影響でスケジュールが立てにくいのが現状で、収穫日を決めるのは3日前程度である。当日が雨だと、実施するのか・しないのかなどさらにスケジュールが乱れることになる。
  • 労働者を雇用すると、年中仕事を作らなければいけないのが大変である。必要な時に労働者を雇える方がありがたい
  • その他、周辺の農家の方の近況 / 人件費について / 日常の作業について

ヒアリングの様子です。
みかんを囲み、農作業や事務作業、人材不足への対応について詳しく教えていただきました。
1.5時間程度じっくりとお話を聞き、農家の方目線の苦労・悩みが少しずつ見えてきました


まとめ

お話を聞いたうえで、以下の点が問題だと考えました

  • 労働者の特性を生かした作業の割り当てを行う必要があること
  • どのようにして労働者に農家さんのノウハウや判断基準を伝えるか。また、農家さんの知識をどのように残していくか
    • 農家さんごとの作業方法の違いをどのように反映するか
  • 農作業スケジュールの不透明さによる案件登録の遅れ

今回のヒアリングを通して農家の方の実態を知ることで、私たちの方針を決めていく手がかりになりました。非常に勉強になるヒアリングでした。終始温かく接してくださった薄月農園の皆さま、本当にありがとうございました!

私の個人的な感想

私は昨年11月から開発を担当してますが、今回非常にいい経験をさせていただきました。普段PCに向かうだけでは、システムを使ってくださる人の想いや苦労はなかなかわかりません。今回のように生の声を聞くことで、この方の役に立ちたい!というモチベーションや責任感が高まりました。ユーザに寄り添う気持ちをもって今後も開発に力を入れていきたいと思います。
また、一緒にヒアリングをした先輩方の熱量に驚かされました。8名という大人数で参加し、メモを片手に様々な質問をする姿から、農家の現状を理解しようとする姿勢やより良いサービスを目指す想いが伝わってきました。
私は新潟県出身なので、新潟県導入の切り口がないか少し考えてみたいです。

帰りには、お土産のみかんを頂きました。
とても甘くておいしく、毎食に加え間食にも頂いています。笑
まだ和歌山気分が抜けていませんが、今回のヒアリングを思い出しながら開発に励みます

おまけ:フォトギャラリー