【Interop Tokyo 2026@幕張メッセ:M2,M1】参加報告

こんにちは。M2の木村です。

2026年6月10日(水)〜12日(金)に幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2026」に、研究室メンバー3人で参加してきました。今回は来場者としてではなく出展者として、小比賀先生の研究をポスターとデモの形でブースに展示してきました。会期では3日間で朝から夕方まで会場で展示、他の出展を見て周り多くの人とお話しさせていただき、密度の濃い時間になりました。

今回はそのレポートをお届けします。

Interopとは

「Interop」は、インターネットに関わる技術が一堂に会する、国内最大級のインターネットテクノロジーの総合イベントです。

イベント名の由来は「Interoperability(相互接続性)」という言葉にあります。これは、異なるメーカーの機器やソフトウェアが正しく通信し合い、問題なく連携して動くこと、という意味です。この「相互接続性」を会場で実際に検証して見せる巨大なネットワーク「ShowNet」がInteropの象徴的な存在で、毎年これを目当てに多くの来場者が足を運びます。

今年のテーマは「AIとインターネットの次章。〜Internet for AI, AI for Internet.〜」。その名の通り、会場全体がAIとインターネットの融合という空気に包まれていました。同時開催で「AI NATIVE EXPO」や「画像認識AI Expo」なども行われており、来場者数は3日間で約15万人規模(昨年は約13万7千人)という、とにかく大きなイベントです。

〔会場(幕張メッセ)の様子〕

私たちの展示

私たちがブースで展示したのは、「氾濫被害把握のための CyReal IT テストベッド」です。

これは同志社大学だけでなく、京都大学防災研究所巨大災害研究センター、公立諏訪東京理科大学、北陸先端科学技術大学院大学・NTTコミュニケーションズと共同で進めている研究で、ひとことで言うと「防災のためのIT技術を、実際の災害を待たずに安全に試せる環境(テストベッド)」をつくる取り組みです。

鍵になるのが「CyReal(サイリアル)」という考え方です。これは Cyber(サイバー空間)と Real(リアル空間)を組み合わせた造語で、

  • リアル空間:センサで集めた実際のデータ(河川の水位、降水量など)
  • サイバー空間:シミュレーションによる将来予測(洪水予測、災害シナリオの作成など)

この2つを融合させることで、氾濫把握の精度を上げたり、「センサをもっと増やしたらどうなるか」「氾濫解析の技術はどこまで使えるか」といった検証を、実際の災害を待たずに行えるようにする、というものです。複数の異なるシミュレータやシステムを束ねて連携させる「オーケストレータフレームワーク」が、その土台になっています。

ブースでは、このコンセプトを伝えるポスターに加えて、3つのデモを用意しました。

  • デモ① 災害のリアルタイム入力:リアルタイムの情報を入力し、シミュレーションと現実とのズレ防ぐ
  • デモ② 複合シミュレーション:洪水・停電・通信遮断など、さまざまなシミュレーション要素を統合して実行する
  • デモ③ VRによる可視化:シミュレーション結果をVRで可視化し、防災訓練などに活用する

〔ブースでの展示〕

〔デモの様子〕

普段、研究を発表する相手は同じ分野の研究者や学生が中心です。しかしInteropの来場者は、企業の方をはじめ本当にさまざまなバックグラウンドの方々。専門が違う相手に「この研究が何の役に立つのか」をどう伝えるかを何度も試行錯誤することになり、自分たちの研究の役立ち方は様々であると感じ研究に大きな可能性を感じました。

Interopで感じたこと

3日間ブースに立ちつつ、空き時間には他社・他団体の展示も見て回りました。そこで強く感じたのは、今の流行はとにかく「AIを活用したセキュリティ対策」だ、ということです。どのブースを覗いても、AIを使って脅威を検知する・対応するといった文脈の展示が並んでいました。

もう一つ印象的だったのが、「SCS評価で高い評価を獲得しています」とアピールするサービスが多かったことです。第三者による評価で高いスコアを取れていることを“分かりやすい強み”として前面に押し出す、そんな見せ方が、セキュリティ業界の一つのトレンドになっているのかな、と感じました。

面白かった展示

個人的に一番面白かったのは、ある韓国企業の展示です。

その企業は、「ハッカーには国ごとに特徴がある」という点に着目していて、「その特徴を知り尽くしていること」自体を強みとしてセキュリティを売り出していました。さらにユニークだったのが、各国のハッカーの特徴を“虫”に例えて表現していたこと。攻撃の傾向や手口の違いを、それぞれ別の虫になぞらえて見せていて、思わず足を止めて聞き入ってしまいました。

「どの国からの攻撃か」によって守り方を変えるという発想と、それを虫という分かりやすいモチーフに落とし込む見せ方の両方が新鮮で、強く記憶に残っています。

〔印象に残った展示〕

NISLABのOBの方々とご飯に行きました

そしてもう一つ、今回の大きな楽しみだったのが、NISLABを卒業したOBの方々との食事です。今回は8名ほどの先輩方が集まってくださいました。

すでに社会人として即戦力で活躍されている先輩もいれば、まだ研修中の先輩もいらっしゃいました。研究室を出たあとそれぞれの道で頑張っている先輩方の話を直接聞けるのは、これから社会に出る身としてとても刺激になりますし、率直に心強かったです。そして、このつながりをこれからも継続していければな、と強く感じました。

〔OBの方々との食事〕

おわりに

出展者としてInteropに参加するのは初めての経験でしたが、最先端の技術トレンドを肌で感じられただけでなく、自分たちの研究を“専門外の人にどう届けるか”を真剣に考える、貴重な3日間になりました。

そして、今回このような貴重な機会をいただけたのは、本研究を進めてくださっている共同研究先の先生方、ならびに関係する各機関の皆様のおかげです。Interopでの展示という貴重な機会をいただけたことは、私たちにとってかけがえのない経験になりました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

今回得た気づきを、これからの研究にも活かしていきたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。