B3の國領あい理です。この度は、第36回コンピュータシステムシンポジウム-ComSys2024に参加させていただきました。
背景
B3の春学期に小比賀先生の授業を受講した際、全員に研究への参加をお声がけいただきました。その中で、小比賀先生が開発されている防災システムに強い関心を持ち、小板先生と小比賀先生のご指導の下、研究に取り組むこととなりました。
研究テーマは、小比賀先生の防災システム「ARIA」を基に決定し、研究のマイルストーンとして、小板先生の研究室の方々と共に、ComSysで発表する貴重な機会をいただきました。ポスター発表形式の研究会に参加するのは初めてだったので、挑戦する気持ちで臨みました。
概要
シンポジウムは、慶應義塾大学の日吉キャンパスで行われました。12/2-12/3の二日間にわたり、様々な方の貴重な講演や、計20名のポスター発表が行われました。私たちは初日に参加をして、ポスター発表を行いました。
- 期間: 2024 Dec 2 – Dec 3
- 場所: 慶應義塾大学日吉キャンパス
- 内容: ポスター発表、見学、懇親会
内容
OS研究会ということもあり、オペレーティングシステムやコンピュータアーキテクチャに関する発表が多くを占めていました。今回最優秀賞を取られた方の発表内容は、「VM間RowHammer防止技術のgem5を用いた検証システム」でした。
発表会場では、多くの参加者が特定のポスターを目的に来場していることに気づきました。これは事前に論文が公開されていたため、各自が興味のある研究内容を選んで見て回っているようでした。実際に、私自身も他の方のポスターを見て回った際には、まずタイトルを見て、自分が過去に勉強した事のある内容で、興味が湧いたポスターの説明を聞きに行っていた傾向がありました。
ポスター発表を通じて感じたこと
質問について
自分が深掘りしようと思うような技術的な質問は少なく、技術に関する基礎的な説明や新しい視点からの提案が多かったです。たとえば、以下のような質問を想定していました:
- 「回数のばらつきが大きすぎた場合、ハフマン符号化はどのように対応するのか?」
- 「ランレングス圧縮を導入した結果、平均符号長が増加している問題への解決策は?」
しかし実際には、技術そのものを理解するための質問が多く、提案したシステムの説明が不十分だったことを痛感しました。
他の方の発表について
他のポスター発表では、1つのポスターに5分程度滞在し、説明を聞いて初めて内容が理解できました。特に、全体のシステムと利用技術を丁寧に説明されることで、内容が明確になりました。
発表形式について
当初は、以下の方法で発表を進めていました:
- システムを30秒程度で説明。
- 相手がポスターを読んで質問をするのを待つ。
しかし、この形式では相手が早期に理解しにくく、質問を無理に引き出す形になっていました。そのため、途中から以下の順序で説明する方法に変更しました:
- センサネットワークを利用する理由
- センサデータを効率よく圧縮したいという課題感
- ハフマン符号化の概要と実際の例
- 重複するデータのさらなる圧縮としてランレングス圧縮を導入
- 結果の説明
質問があれば、閾値に基づくデータ送信やHDCの図を用いて説明し、質問がなければ省略する形式にしました。この方法により、相手の理解度に応じた柔軟な説明が可能になりました。
改善点
- ポスターの内容をよりわかりやすく伝えるために、説明用の図を事前に準備する。
- 質問に応じて使用する資料や図表を工夫し、説明を補完する。
- 全体のシステムや利用技術について、丁寧かつ具体的に説明する時間を増やす。
ポスター発表を通じて、相手の視点を意識した情報の伝え方や技術的な背景説明の重要性を学ぶことができました。次回以降は、これらの経験を活かしてさらに効果的な発表を目指したいと考えています。